炎上辞さない 朝日奈央の魅力

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 乃木坂46、欅坂46のブレイクにより群雄割拠が続く“アイドル戦国時代”。しかし、芸能界の第一線で活躍するアイドルと言えども、避けて通れないのが“卒業”だ。21日にはももいろクローバーZの有安杏果が卒業を電撃発表し話題となったばかり。アイドルにとって卒業はメモリアルな一大イベントである一方で、卒業後の “進路”についてはアイドル時代の実績が足かせになる場合もある。事実、国民的アイドルグループのエースクラスでさえ、卒業後に結果を残すことが難しいのが現状だ。そんな中、アイドルマニアとしても有名な南海キャンディーズ・山里亮太をして「いや、素晴らしかったわ、あのやり切り具合」と言わしめる逸材が現れた。元アイドリング!!!の朝日奈央だ。時には下ネタも辞さず、体もガンガン張りながら出演番組で着実に爪痕を残す活躍を見せている。“ポストこじるり”とも評される朝日の魅力とは?

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■正統派アイドルとして活躍するも“解散後”は苦戦「月の仕事は2日だけ」

 アイドリング!!!は2006年、フジテレビ系のCS放送・フジテレビ721で放送する夕方の帯番組『アイドリング!!!』のために結成されたアイドルグループ。いわば、伝説のアイドルグループ・おニャン子クラブを生んだフジの純粋培養的なアイドルグループであり、AKB48より先に冠番組を持つという、アイドルグループブーム当初のトップランナーだった。しかし、以降はフジテレビの番組以外の出演はあまりなく、地上波への露出もわずかだったため、AKB48、ももいろクローバーZなどに知名度ではあっさりと追い抜かれてしまう。

 そうした状況の2008年、朝日奈央は15号としてアイドリング!!!に加入。グループのバラエティ色も強まった2013年ごろから、積極的に体を張る“濃いキャラ”として個性を発揮しはじめる。しかし、基本的にはマジメな性格。2012年に放送された番組内のドッキリ企画もそのまま信じ、偽ディレクターの質問に「(お笑いは)嫌ですね!」と率直に話すシーンも。

 そもそも朝日は、司会のバカリズムや中心メンバーの菊地亜美に言わせれば「おっとりしたいい子」、「誰からも好かれるいい子」なのだそう。元はローティーンファッション誌『ラブベリー』(徳間書店)のモデル出身のため、気取った娘では?と思われがちだったが、常に前向きなキャラでハキハキとしゃべり、体を張る仕事も積極的にこなす愛されキャラ。だが、バラエティ番組で共演者に大声で絡んで見せるのは、本人いわく「無理してがんばっている」時期もあったようだ。

 そして2015年にアイドリング!!!が解散。すると、アイドル卒業後は朝日も御多分に洩れず仕事面で苦戦。朝日自ら「解散後は個人仕事もなく月に2日しか仕事がない時期もあった」と打ち明けたことも。

■『ゴッドタン』で見せた元アイドルらしからぬ“やり切り力”でネットユーザーを味方に

 しかしここにきて、朝日はバラドルとして大きな飛躍を見せているのである。アイドリング!!!時代も対応力で評価されていたが、2015年ごろからは“やりきる”ことに特化。『アイドリング!!!9周年スペシャル』では「とにかく明るい朝日奈央」と称して、チューブトップ姿で、とにかく明るい安村のギャグ“全裸に見える座わりポーズ”を披露。深夜番組『ゴッドタン』(テレビ東京系)にいたっては完全に吹っ切れ、志村けんの「変なおじさん」を“変顔を超えた変顔”でやり切りネット民から喝采を浴びた。

 そして、今年の年始に放送された『ゴッドタン 芸人マジ歌選手権 新春SP』では、にゃんこスターのアンゴラ村長ではなくスーパー3助を完コピ(アンゴラ村長は元AKB48の野呂佳代が担当)。「野呂佳代と朝日奈央のにゃんこスターが本物過ぎる」「朝日奈央さんどんな物真似芸人にもガチンコで負けない位」とネット上でその完成度が高く評価され、元アイドルらしからぬ“やり切り力”は周知されていった。

 また、朝日は“やり切り力”の他に、 “トーク力”と“対応力”でも評価されている。朝日は番組内で大喜利を披露する機会が多いが、彼女の“スベリ”を恐れぬ矢継ぎ早の回答&トークで、そのコーナーは朝日の独壇場になることが多い。実際、4月30日に放送された『ゴッドタン』では、産休に入った松丸アナの代打オーディションの流れで大喜利に突入。しかもその題材が“エロ謎かけ”だったが、元アイドルの朝日は恥も外聞もなく下ネタに対応し笑いをとっていった。それを見たネットユーザーは「朝日謎の張り合いw」「朝日ちゃんがツボ」と大ウケ。どんな展開にも適応する“対応力”と頭の回転の良さが見える“トーク力”を見せつけた。しかし、その勢いが思わぬ勇み足になることも。

 さらに、昨年8月放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)でも、哀川翔や石原良純といった大先輩にガンガン噛みつく気合を見せるが、MCの明石家さんまをして「どっちか(哀川か石原)に殴られるぞ」と警告するほど。視聴者からも「でしゃばりすぎ」「うるさい女」「トークもウザいし、声のトーンも不快」などと炎上。他のアイドルらを差し置いて必死に食らいつくハングリーさが、この時は逆に裏目に出た形になった。

■バカリズムや劇団ひとりも絶賛! 中堅芸人からの絶大な支持率

 とはいえ、そんな失敗を経ながらも、朝日の持つ“瞬発力”はバカリズムやおぎやはぎ、劇団ひとりといった中堅芸人に重宝されている。さらに12月27日放送の『山里亮太の不毛な議論』(TBSラジオ系)では、南海キャンディーズの山里が「この前、朝日奈央ちゃんが『ゴッドタン』に出てて。いろんな芸人さんをカバーさせる感じなんだけど。いや、素晴らしかったわ。あのやり切り具合」と、朝日がバラエティ番組で見せる“やり切り力”を賞賛。さらに、「菊地亜美ちゃんの、人の幸せっていう武器ってさ、攻撃力低めだよね。朝日奈央ちゃんの戦い方は脅威だと思うね」と、バラドルとして評価される元同僚の菊地亜美の対抗馬になると予想した。

 また、AbemaTVのバラエティ番組『フジモンが芸能界から干される前にやりたい10のこと』に出演した際も、とろサーモン・久保田の「女体盛りがしたい」とのリクエストに「お腹だけならいい」と承諾するなど、下品すぎない絶妙な下ネタで返す“対応力”は冴える一方だ。勢いあまって“ワル目立ち”することはあるものの、こうした“対応力”や“トーク力”は業界内でも評価され、昨年10月にはチュートリアル・徳井義実司会の『DT(童貞)テレビ』(同)のアシスタントMCに抜擢されるなどMCとしても実績を積み重ねており、業界内では「次代を担うポスト・こじるり」という声も聞かれるほど。

 トーク力、対応力、下ネタ、やり切り力と、3拍子も4拍子も力を備えた注目のバラドル・朝日奈央。やり切り過ぎて炎上することもありそうだが、そうした失敗さえも糧とし、2018年のTV業界で類まれな“バラエティ力”を発揮するはずだ。そして今後、MCとしても地力をつけていった時、ひしめく先輩バラドルたち追い越し、現在バラエティ女王として君臨する“こじるり”の席を脅かす存在になるかもしれない。

2018-01-01 元アイドリング!!! 元Idoling!!! 朝日奈央